tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

CSRとNGR

2012年11月13日 14時03分59秒 | 国際経済
CSRとNGR
 前々回、円レートの安定実現の方法について書かせて頂きましたが、今回は、そうした問題の根底にある基本的な考え方について、考えてみたいと思います。

 表題に“NGR"と書きましたが、これは私の造語で“Nation’s Global Responsibility”「国家の地球的責任」の略で、企業でいえばCSR、「企業の社会的責任」に当たる言葉です。

 企業の場合、コンプライアンス(法令順守)も言われますが、これも、法令に違反しなければ、何をしてもいいということではないと解釈されています。
 CSRは更に高次なもので、すでに十分に人口に膾炙していると思いますが、企業にCSRがあるならば、国にNGRがあって当然と考えるからです。

 世界は狭くなり、国際関係の進化(深化)、地球人類のグローバル化は急速に進み、企業にとっての社会環境と同様、国にとって、国際環境、地球環境、そして安定した相互協力関係の構築は、ますます重要なものになっていると思われます。
 だからこそ、NGRは今日、「国」が地球上の一員として存在する以上、当然保持すべき基本的な考え方、あり方を示すものと考えてほしいと思うのです。

 企業が「豊かさ・快適さ」を創造して社会に貢献することを目標とするのと同じように国も、世界人類のために、豊かさ・快適さを創造し、地球をより住みよい場所にすることを目的として活動するのでなければなりません。

 そのために先ず、自国民に安定した雇用の場と、改善する生活のための所得の機会を提供する事は、企業が雇用の安定と適正な賃金所得を従業員に提供するのと同じく、最低限の社会的責任でしょう。

 勿論、それらは企業が黒字でなければ出来ないように、国も黒字でなければなりません。赤字を垂れ流して外国から金を借り続け、それで国民に雇用や所得を提供しても、それは「グローバル」に責任を果たしていることにはなりません。

 企業が黒字であって初めて雇用や賃金を安定させ、その上に、顧客に満足を与え(CS)、取引先とはFair Tradeを行い、多様なステークホルダーズと良き関係を保ち、その上に地域社会や広く全体社会のために、より良い地球環境への努力や、多くの社会貢献が出来るのと同じように、国も、黒字であって初めて他国に迷惑をかけることなく、互いに協力・共存し、出来れば、地球全体の発展のために、地球上の開発の遅れた地域の開発に力を尽くすといった幅広い活動が可能になります。

 その意味では、日本などが途上国援助などに広く使うべき金を、世界で最も豊かな国の1つであるアメリカが借りて使ってしまい、その上、ドル安にして、悪い言葉で言えば「踏み倒す」などは、まさにNGRに反する行為になるでしょう。
 愛国無罪なども愛社無罪が通らないのと同様、NGRの視点では通らない言葉でしょう。徒に領土問題などを言挙げし、無用な対立混乱を招くなども、極めて未熟な行為です。

 CSRを国に当嵌めるNGRを基準に判断すれば、今の歪んだ、国際関係、二国間関係、さらには国内問題についても、多様な問題点が改めて浮彫りになるのではないでしょうか。
 さらにより多面的に、本気で考えてみる必要がありそうです。


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